2009年07月21日
川勝知事所信表明 ③
川勝知事所信表明 ③
第3の改革は「行政改革」であります。
県民の皆さまに、県政については何事によらず関心を持っていただけるように、情報公開に努め、透明性の高い「見える県政」を目指してまいります。
そして、県民の皆さまに納めていただいた税金を無駄遣いしないように、県の仕事については、従来の「業務棚卸」に加え、第三者による「事業仕分け」を実施いたします。費用と効果をチェックすることで、不必要なものを排除し、必要な施策に重点的に配分するように努めてまいります。
また、県と市町の行政の重複を避けるために、権限・財源・人材を「三位一体」として市町に移譲いたします。すなわち仕事だけでなく、お金はもとより、人も合わせて、市町に移譲することにより、二重行政の解消に努めてまいります。
さらに、外郭団体の見直しに着手するとともに、県職員の再就職の透明性を高めるため、県が出資する外郭団体に対して、公募制による役職員の採用を要請するとともに、県の退職者を採用する場合には退職金を支給しないように要請し、あっせんによる天下りの廃止に取り組みます。
これらの三つの改革とともに、思いやりと活力に満ちた地域社会を創造するため、「暮らしの向上」「ものづくりの支援」「インフラの整備」を県民の皆さまと二人三脚で進めてまいりたいと考えております。
第1に「暮らしの向上」についてであります。
物の豊かさとともに心の豊かさも同じように大切です。ブータンの国王の提唱したGNH(Gross National Happiness)「国民総幸福度」において、静岡県が日本一になることを目標にします。
まずは、若い世代の「2人から3人は子どもを産みたい」という希望がかなえられるように、子どもの保育の充実、中学生までの医療費の無料化に向けての市町との協議、母子家庭、父子家庭への支援に重点的に取り組み、誰もが安心して子育てができるように努めてまいります。
医療問題深刻です。医師不足に対処するため、現行の奨学金制度の充実のほか何よりも「静岡県はお医者さまを最も大切にする地域だ」という気風造に努め、医療体制の整備と拡充を進めます。基幹病院では勤務医の減少が危機的状況になっており、過重な労働となっている勤務医の負担を軽減する方策を早急に検討いたします。産婦人科については、医師が支援しながら助産師が検診から正常分娩までを一貫して行う院内助産所の普及を図ります。
健康増進のための「予防医学」にも取り組んでまいります。市町と協力して、質の高い福祉サ-ビスを受けられるようにしてまいります。
男女がともに活躍する男女共同参画社会の実現は、時代の要請です。仕事と家庭との両立ができるように、特に女性が働きやすい環境づくりに努めます。
高齢者の知恵や力を重んじる社会の実現にも努めてまいります。
生活を脅かす土壌・水質汚染などのほか、クリ-ン・エネルギ-と言われる風力発電についても景観などに配慮し、環境問題の解決にも取り組んでまいります。
第2に、「ものづくりの支援」についてであります。
静岡のはぐくんできた「ものづくりの技術」を大切にし、感動を呼ぶものづくりを積極的に支援してまいります。
未来につながるものづくりは、これまでのように海外需要に頼るのではなく、内需を喚起し拡大するものでなければなりません。地域経済を活性化するために、生活環境を良くし自然環境を生かした技術革新が必要です。ロボット、光などは内需拡大経済に導く未来のものづくりの例です。
また、地球温暖化危機に対処するため、クリ-ン・エネルギーの開発に・本県も貢献しなければなりません。例えば、電気自動車をはじめ環境にやさしい車など低炭素社会の実現に資するさまざまな技術を積極的に支援してまいります。
さらに、「住んでよし、働いてよし、訪れてよし」を実現するため、住宅、健廉、観光などの関連産業を支援するとともに、労働環境の維持向上に努めてまいります。
第3に、「インフラの整備」についてであります。
地域の自立の基礎は道路・橋・港・空港のインフラの整備と、それらが互いに連携して域内の一体化を高めることであります。そのために、既存の交通インフラの充実に努め、ネットワ-クの高速化を図るととむに、生活道路については、域内で最も整備が遅れている地域から重点的に整備を図ります。
富士山静岡空港の開港に伴う国内外の旅客の増大に備えるため、道路整備により構築される広域インフラを最大限に活用心、それを静岡県の活性化につなげてまいります。
空港の利活用につきましては、7月10日に麻生福岡県知事の招きを受け、福岡路線の利用促進について相互協力を確認し、23日には石川、鹿児島をフジドリ-ムエアラインズの初便で訪問する予定であります。また、私を本部長とする「富士山静岡空港利活用戦略本部」を庁内に立ち上げ、全庁を挙げてさまざまな利活用策を進めるとともに、「富士山静岡空港の魅力を高める有識者会議」を立ち上げ、県内外の有識者からのご支援をいただくことにしております。また、私自らがトップセ-ルスを行い、日本の表玄関としての富士山静岡空港の利用促進を全力で図ってまいります。なお、福岡路線につきましては、搭乗率保証制度の見直しを検討しておりますが、それとともに、現在、私が先頭に立って全庁を挙げて搭乗率の確保に全力で取組んでいるところであります。
さらに、道州制を視野に入れ、太平洋と日本海、本県と周辺県をつなぐ道路網とともに情報環境を整備して、静岡県の中心性を誰もが実感できるインフラ整備に努めてまいります。
なお、最後になりましたが、喫緊の経済不況への対応策として、早急に有効な経済対策を実施していく必要があります。
本県経済は、5月の有効求人倍率は0.40倍で、4カ月連続して統計開始以来の最低を更新しており、企業の景況感も低い水準が続くなど、大変厳しい状態にあります。このため、本日、私を本部長とする「静岡県緊急経済・雇用対策会議」を立ち上げ、県内の雇用や経済情勢への対応策を協議いたしますが、広く県内の経済界や有識者の方々からも御意見をお伺いします。それらの意見を踏まえ、スピ-ド感を持って緊急経済・雇用対策を取りまとめ、9月議会で補正予算案を提出したいと考えております。
ドイツの学者マックス・ウェーバーに「職業としての政治」という講演記録があります。ウェ-バーは、「この世が政治家の理想とするものにとってあまりにも愚昧で卑俗であっても『それでもなお』と言い得る者のみが政治を職業とし得る。」と結んでいます。今なしている業を「天職」と心得る姿勢が「それでもなお」であります。毀誉褒貶(きよほうへん)にさらされ、失敗をし、挫折感にうちひしがれても、それでもなお、屈せず、堂々と、誠実に、「日本の理想」を追求してまいります。
*毀誉褒貶(きよほうへん)
意 味:ほめることと、そしること。人をほめたり悪口を言ったりすること。
解 説:「誉」「褒」は、ほめるという意味。「毀」「貶」は、そしること。それぞれ同じ意味の語を2つ重ねて強調している。
英 訳: praise or censure
第3の改革は「行政改革」であります。
県民の皆さまに、県政については何事によらず関心を持っていただけるように、情報公開に努め、透明性の高い「見える県政」を目指してまいります。
そして、県民の皆さまに納めていただいた税金を無駄遣いしないように、県の仕事については、従来の「業務棚卸」に加え、第三者による「事業仕分け」を実施いたします。費用と効果をチェックすることで、不必要なものを排除し、必要な施策に重点的に配分するように努めてまいります。
また、県と市町の行政の重複を避けるために、権限・財源・人材を「三位一体」として市町に移譲いたします。すなわち仕事だけでなく、お金はもとより、人も合わせて、市町に移譲することにより、二重行政の解消に努めてまいります。
さらに、外郭団体の見直しに着手するとともに、県職員の再就職の透明性を高めるため、県が出資する外郭団体に対して、公募制による役職員の採用を要請するとともに、県の退職者を採用する場合には退職金を支給しないように要請し、あっせんによる天下りの廃止に取り組みます。
これらの三つの改革とともに、思いやりと活力に満ちた地域社会を創造するため、「暮らしの向上」「ものづくりの支援」「インフラの整備」を県民の皆さまと二人三脚で進めてまいりたいと考えております。
第1に「暮らしの向上」についてであります。
物の豊かさとともに心の豊かさも同じように大切です。ブータンの国王の提唱したGNH(Gross National Happiness)「国民総幸福度」において、静岡県が日本一になることを目標にします。
まずは、若い世代の「2人から3人は子どもを産みたい」という希望がかなえられるように、子どもの保育の充実、中学生までの医療費の無料化に向けての市町との協議、母子家庭、父子家庭への支援に重点的に取り組み、誰もが安心して子育てができるように努めてまいります。
医療問題深刻です。医師不足に対処するため、現行の奨学金制度の充実のほか何よりも「静岡県はお医者さまを最も大切にする地域だ」という気風造に努め、医療体制の整備と拡充を進めます。基幹病院では勤務医の減少が危機的状況になっており、過重な労働となっている勤務医の負担を軽減する方策を早急に検討いたします。産婦人科については、医師が支援しながら助産師が検診から正常分娩までを一貫して行う院内助産所の普及を図ります。
健康増進のための「予防医学」にも取り組んでまいります。市町と協力して、質の高い福祉サ-ビスを受けられるようにしてまいります。
男女がともに活躍する男女共同参画社会の実現は、時代の要請です。仕事と家庭との両立ができるように、特に女性が働きやすい環境づくりに努めます。
高齢者の知恵や力を重んじる社会の実現にも努めてまいります。
生活を脅かす土壌・水質汚染などのほか、クリ-ン・エネルギ-と言われる風力発電についても景観などに配慮し、環境問題の解決にも取り組んでまいります。
第2に、「ものづくりの支援」についてであります。
静岡のはぐくんできた「ものづくりの技術」を大切にし、感動を呼ぶものづくりを積極的に支援してまいります。
未来につながるものづくりは、これまでのように海外需要に頼るのではなく、内需を喚起し拡大するものでなければなりません。地域経済を活性化するために、生活環境を良くし自然環境を生かした技術革新が必要です。ロボット、光などは内需拡大経済に導く未来のものづくりの例です。
また、地球温暖化危機に対処するため、クリ-ン・エネルギーの開発に・本県も貢献しなければなりません。例えば、電気自動車をはじめ環境にやさしい車など低炭素社会の実現に資するさまざまな技術を積極的に支援してまいります。
さらに、「住んでよし、働いてよし、訪れてよし」を実現するため、住宅、健廉、観光などの関連産業を支援するとともに、労働環境の維持向上に努めてまいります。
第3に、「インフラの整備」についてであります。
地域の自立の基礎は道路・橋・港・空港のインフラの整備と、それらが互いに連携して域内の一体化を高めることであります。そのために、既存の交通インフラの充実に努め、ネットワ-クの高速化を図るととむに、生活道路については、域内で最も整備が遅れている地域から重点的に整備を図ります。
富士山静岡空港の開港に伴う国内外の旅客の増大に備えるため、道路整備により構築される広域インフラを最大限に活用心、それを静岡県の活性化につなげてまいります。
空港の利活用につきましては、7月10日に麻生福岡県知事の招きを受け、福岡路線の利用促進について相互協力を確認し、23日には石川、鹿児島をフジドリ-ムエアラインズの初便で訪問する予定であります。また、私を本部長とする「富士山静岡空港利活用戦略本部」を庁内に立ち上げ、全庁を挙げてさまざまな利活用策を進めるとともに、「富士山静岡空港の魅力を高める有識者会議」を立ち上げ、県内外の有識者からのご支援をいただくことにしております。また、私自らがトップセ-ルスを行い、日本の表玄関としての富士山静岡空港の利用促進を全力で図ってまいります。なお、福岡路線につきましては、搭乗率保証制度の見直しを検討しておりますが、それとともに、現在、私が先頭に立って全庁を挙げて搭乗率の確保に全力で取組んでいるところであります。
さらに、道州制を視野に入れ、太平洋と日本海、本県と周辺県をつなぐ道路網とともに情報環境を整備して、静岡県の中心性を誰もが実感できるインフラ整備に努めてまいります。
なお、最後になりましたが、喫緊の経済不況への対応策として、早急に有効な経済対策を実施していく必要があります。
本県経済は、5月の有効求人倍率は0.40倍で、4カ月連続して統計開始以来の最低を更新しており、企業の景況感も低い水準が続くなど、大変厳しい状態にあります。このため、本日、私を本部長とする「静岡県緊急経済・雇用対策会議」を立ち上げ、県内の雇用や経済情勢への対応策を協議いたしますが、広く県内の経済界や有識者の方々からも御意見をお伺いします。それらの意見を踏まえ、スピ-ド感を持って緊急経済・雇用対策を取りまとめ、9月議会で補正予算案を提出したいと考えております。
ドイツの学者マックス・ウェーバーに「職業としての政治」という講演記録があります。ウェ-バーは、「この世が政治家の理想とするものにとってあまりにも愚昧で卑俗であっても『それでもなお』と言い得る者のみが政治を職業とし得る。」と結んでいます。今なしている業を「天職」と心得る姿勢が「それでもなお」であります。毀誉褒貶(きよほうへん)にさらされ、失敗をし、挫折感にうちひしがれても、それでもなお、屈せず、堂々と、誠実に、「日本の理想」を追求してまいります。
*毀誉褒貶(きよほうへん)
意 味:ほめることと、そしること。人をほめたり悪口を言ったりすること。
解 説:「誉」「褒」は、ほめるという意味。「毀」「貶」は、そしること。それぞれ同じ意味の語を2つ重ねて強調している。
英 訳: praise or censure
Posted by cho8 at 18:01│Comments(0)
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