川勝知事所信表明 ②
川勝知事所信表明 ②
第2の改革は「食と農の改革」であります。
静岡の美しい景観は先人の守り育ててきたものであり、自然の恵みを活用した農林水産業に裏打ちされたものであります。水・緑・大地を大事にしない文明は必ず滅びます。水・緑・大地に根ざした静岡県の第1次産業の製品の品質は極めて高いものがあります。第1次産品のそのような質の高さに照らすとき、本県の農林水産物は、いずれも芸術品のレベルにあるという意味で「農芸品」の名に値するものであり、ブランド化を積極的に推し進めて、第1次産業の立て直しとルネサンスを図ってまいります。担い手・後継者不足に苦しむ農林水産業を元気づけ、都市との交流を図るために、現在取り組んでいる「1社1村」運動に加えて、「1校1山」「1社1山」運動を進めてまいります。
また、森の活用、遊休農地の活用などを図るため、職業訓練の機会を提供して、技術を身につけてもらい、雇用の創出を図り、第1次産業の担い手を増やしてまいります。さらに、カロリー・ベースの食料自給率に縛られるのではなく、穀物・畜産品、茶・野菜・果物、海産物などを含む、静岡県独自の総合的食料供給力という観点を打ち出すとともに、1次・2次・3次産業を組み合わせた6次産業を起こし、域外に開かれつつも、域内で自己完結しうる地産地消を軸とした経済文化圏の形成を目指します。農林水産業の活性化と高度化に努めることで、何よりも県民の皆さまが食の安全について心配されることのないようにし、地元の食文化に絶大な自信を深めていただきます。
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